1日1回 vs 週1回 GLP1製剤との違い

アメリカ糖尿病学会(サンフランシスコ、ADA)での、ひとつのエピソードです。

 

講演終了後、さっそく、Daniel S Hsia  MD(医師)に、質問をしてみました。
https://www.pbrc.edu/research-and-faculty/faculty/?faculty=4556

 

サクセンダでは、精神障害が起こるとは、あまり聞いたことはなく、
「1週間に1回のGLP1製剤の、オゼンピックでは、精神障害が、プラセボと比較し、明らかに多いのは、何故? どういう理由だと、思いますか?」
と、口頭質問してみました。

 

彼は、「たしかに、サクセンダでは、そういう副作用はないですね。。」と。

 

そこで、私は、「サクセンダのほうが、副作用が起こった時に、自分で減量できる自由がある。これに比べて1週間製剤のオゼンピックには、そうした自由が少ない。食欲がないままに副作用が起こっている時間を過ごさなくてはならない。となれば、人としての自由度としては1日1回注射のほうが安全で、だからサクセンダに精神的な副作用が少ないのでは?」と質問の理由を述べました。

 

Daniel博士は、「その考え方には一理ありますね。speculationとしては正しいと思います。」と、すぐにレスポンスがありました。

 

Albiglutideは、1週間に1回のGLP1製剤です。作用は弱いのですが、それでも、心臓血管イベントを減らしました。すなわち、GLP1注射治療では、かりに効果が弱い薬剤でも、心臓血管イベントを減らします。だから効果が強いから、心臓血管イベントが減ったとは、考えないほうがいいと思います。

 

https://www.thelancet.com/journals/lancet/article/PIIS0140-6736(18)32261-X/fulltext

 

むしろ普及が拡大すると重要視するべきは懸念すべきは「安全性」のほうです。

 

サクセンダは、バイエッタなどのoff-label medication drugと違い、「安全性」を高く評価され、GLP1製剤の中では、唯一FDAやEMAで承認されている薬剤です。 つまり、アメリカや欧州で承認された薬剤です。国際標準の肥満治療において、安全性が担保されている薬剤はサクセンダのみといって過言ではありません。

 

日本には、沢山の、アメリカではスタンダード医療と唱いながら、実際には、サクセンダと異なる製剤を配布している医療機関があるようです。しっかりした科学的根拠(エビデンス)に基づき、あせらず慎重に、安全性を確認しながら、私たちの外来運営は進めていきたいと考えております。

 

 

2019年6月8日(記載)
サンフランシスコ、アメリカ糖尿病学会、参加のために滞在。

 

鈴木吉彦 医学博士。HDCアトラスクリニック院長