反応性低血糖にも有効

女性で、インスリンの分泌が多い場合、あるいは、食物から経口で入る糖質などの量が多い場合に「反応性低血糖」という現象が起こる場合があります。肥満が多い欧米女性に多いとされていた現象です。

 

時々、ダイエット外来をしていると、この「反応性低血糖」に対して、GLP1ダイエットは有効ですか?と質問されることがあります。答えは「きわめて有効です。」

 

なぜなら、反応性低血糖は、胃にはいった糖質がすばやく小腸上部から吸収されることで急峻型の高血糖カーブを描きます。簡単に解説すると「食べると、すぐに高血糖になっている」のです。ですから、甘いものが好き、お菓子が好き、スイーツが大好き、という女性に多いのです。

 

そういう高血糖に対して、すぐに膵臓のβ細胞からインスリンが分泌され、高血糖を解除します。つまり、正常血糖にもどそうとします。そのタイミングが、あまりに速くて、食事に糖質以外の食材(蛋白質や油脂など)が含まれていないと、食後には過剰に分泌されたインスリンによって、低血糖レベルまで血糖値が低下してしまうのです。こういう現象を「反応性低血糖」、英語では、Reactive Hypoglycemia、と言います。

 

その時に、イライラ感が生まれて、切れやすくなってしまうわけです。よく、甘いものばかり食べている女性が、突然、「キレる!」、という場合にも、こういう反応性低血糖が潜んでいることが多いものです。

 

GLP1は、胃から小腸への食物の排泄速度を、ゆっくりにします。ですから、急峻に高血糖が起こりにくくなります。急激なインスリン分泌も起こりにくくなります。GLP1は、そうしたインスリン分泌を、食物が入る速度をゆっくりにして、適度に、タイミングよい分泌の仕方に、変更してくれるのです。ですから、GLP1ダイエットではインスリン分泌作用があるにもかかわらず、それがゆっくりであるため、反応性低血糖が起こりにくくなります。

 

GLP1ダイエットを始めて、急峻な高血糖がなくなれば、反応性低血糖がなくなり食後の「イライラ感」が消えます。そのせいか迷走神経が優位になるともされています。リラックスした状態になるので血圧もさがります。食後におちつきがない人、食後数時間すると、おこりっぽくなる人、食後数時間すると、おなかがすいてたまらなくなる人、そういう場合には、ぜひ、「反応性低血糖」という用語を覚えていただいて、GLP1ダイエットの注射療法で改善してみることをお勧めいたします。

実際、男性であっても、GLP1ダイエットを行ってから、周囲の人に怒りぽかった性格が治った、部下から見直される上司になった、という患者さんもおられました。

 

こうした解説は、内科医、特に糖尿病専門医にとっては日常茶飯事にある解説になります。