糖尿病臨床が優れてくると肥満が増えます。

糖尿病治療が巧みになると、外来にはHbA1cが良好な患者さんだらけになります。

 

そうなると、糖尿病合併症の予防より肥満治療のほうが優先される時代になりました。

 

特に、HbA1cが6%台が、ざらにいる糖尿病外来になると、将来、糖尿病の合併症を心配しなくてはいけない患者さんは、急速に減少していきます。めったに、見なくなりました。

 

逆に、SGLT2阻害剤、といった新薬が普及してきたことにより、
より、問題は複雑になります。

 

SGLT2阻害剤は、尿に1日400キロカロリーを排出する薬剤ですが、一般人向けには、「抗肥満薬」とは、みなされていません。

 

それは、なぜでしょう?

 

製薬メーカーが提出している治験データをよくみると、SGLT2阻害剤が効果を示すのは、HbA1cが7%以上の患者さんが、大きな対象患者になっている時だけ、

 

という事実に気がつかされます。

 

つまり、HbA1cが6%台の、比較的、血糖コントロールがよい糖尿病患者さんが、
SGLT2阻害剤という、「新薬」、を服用すると、お腹がすくだけの、肥満薬になってしまう、こともあるのです。

 

実際、私の外来には、SGLT2阻害剤が発売された以降、HbA1cが6%台の患者さんたちには、肥満者がでることがおこっています。

 

ですが、血糖コントロール目標を緩めるわけにはいきません。ですから、SGLT2阻害剤は、処方しつづける必要があります。

 

となると、期待されるのは、GLP1の食欲抑制効果と、どうマッチングさせるか、という点なのです。こういう処方の組み合わせが糖尿病治療のTipsになります。

 

こうした複雑な計算の上で、GLP1受容体作動薬を処方します。単なる痩せるためだけ、ではないところが、ポイントなんです。

 

糖尿病の患者さんが痩せるためには、高血糖になるのが一番、てっとり早いのですが、合併症が起こりやすいので、そういうわけにはいかないのです。