米国. 最新の抗肥満治療事情

米国糖尿病学会(ADA、サンフランシスコ、2019) で入手した世界の、抗肥満治療、を再度、公開します。欧州糖尿病学会とは異なる視線で興味深いと思います。

 

Beverty Tchang. M.D. 博士のP発表です。引用許諾もいただいています。英語ですが、当院でGLP1ダイエットをお申し込みいただいた方には、日本語向け資料をお送りします。ただし、この調査は米国の大都市NYCで、行われたものです。大都会で行われた調査であることには、多少のバイアスがかかっているかもしれないことには、ご注意ください。

2年間で、ダイエットに成功した人たちの確率は、以下のようです。
1年目より2年目のほうが、落ちてます。
さらに、そのプロフィールは、以下のとおりです。5%以上の減量を成功と考えると、米国では66%、つまり3人に2人が、すでに薬物を利用したダイエットに挑戦しており、成功を収めているという事実がわかります。

女性が74%。平均年齢が50歳。更年期障害を迎えるかどうか、くらいの年齢で当院へGLP1ダイエット外来を申し込みにこられる方と、ほぼ一致します。いわぶっちゃんに共感をもつ女性が多いのは、理解できます。

 

そして、実際に服薬している薬は、というと、、

圧倒的に、「メトフォルミン」でした。糖尿病の治療薬、off-label drug です。ビクトーザやサクセンダは、なんと5位。米国人の特徴なのか、中枢性の抗肥満薬が、すごい使用されています。ビクトーザやサクセンダは、高価な薬剤なので、「セレブのダイエット法」として、考えられているようです。

 

ちなみに、1週間に1回、注射をすればいいGLP1製剤は、どこにも含まれていません。もし、日本で、それを新GLP1と称して米国の治療として紹介しているクリニックがあるとしたら、米国では流行していない、承認さえされていないダイエット法を偽っている悪徳業者と癒着した医師のサイトです。

 

いずれにしても、「メトフォルミン」と「ビクトーザ、サクセンダ」は、5位以内にはいっており、これが、抗肥満治療に、日本の糖尿病専門医が、じっくり取り組もうとしている確固たる由縁です。

 

さらに、米国糖尿病学会では、サクセンダが無効な場合には、バイエッタ、という選択枝がある事も紹介されていました。それは、本講演のほうで、紹介されていました。ビクトーザ、サクセンダ、バイエッタ、メトフォルミン、これらは糖尿病専門医が普段から利用している薬剤です。糖尿病治療薬です。

 

今は、日本では美容外科医が、あたかも自分たちのジャンルがきて流行しているかのような広告宣伝をうっていますが、米国では、それは笑いものになることでしょう。

 

ダイエットの世界には、本来、その道のプロは、糖尿病治療薬の上手な応用という潮流が一層、増してきているようです。その中心にいるのは糖尿病専門医です。糖尿病専門医を中心とした減量治療が、本物であり、そこを中心とした本当の意味の、正しいダイエット法が、順次、確立していくことでしょう。

 

耳学問で覚えた知識で、GLP1ダイエットを始めたような美容外科医は、米国では、すぐに訴訟の対象になるのかもしれません。自身で処方もしたことがない、未経験の薬剤を、代謝の知識も知らないで、処方し金銭を巻き上げ、広告でも嘘をつき、それが許されるほど、米国国民は専門家に対して甘くはないからです。

 

そして、しだいに糖尿病の発症率も低下していくのだろうと思います。