薬ができると、新しく疾患概念ができガイドラインができる

今回は、糖尿病の治療薬、リラグルチド(商品名、糖尿病ではビクトーザ、抗肥満では、サクセンダ)が、処方できるようになったら、「肥満」は、単なる、ぜいたく病から、「肥満という疾患である」という認識となってきた。それは、治せる治療薬がでてきたから、そうなったわけである。

 

ふと思い起こせば、同じようなことが歴史上でも、あった。
それは、「高脂血症」の世界に、同じ歴史があった。

 

今でいうスタチン製剤という、コレステロールの特効薬が発見される前までは、つまり、

 

昔は、コレステロールが高いのは、卵ばかりを食べ過ぎているから悪いんだ、という指導が一般的だった。「卵を、極力、減らしなさい」、という医師の指導や、管理栄養師が行う指導の、食事指導は、当たり前だった。

 

ところが、スタチン製剤、特に、かの有名な「メバロチン」が、発売されるやいなや、突然、コレステロールの基準値が定められたり、LDLコレステロールと、総コレステロールとをわけて考える習慣ができたり、LDLコレステロールを140 以下にする、という厳しいルールが、続々と、でてきたわけである。

 

つまり、「新薬」が、でてきた時に、それまでは、「ぜいたく病」、「たべすぎ」、と、いっていた事象、みすごしていた事象、放置されていた事象が、それは、そうではなくて、「疾患」である、という概念に、かわっていくのであった。ガイドラインすら、より厳密になってきた。

 

なので、GLP-1注射治療がでてきたから、肥満を治す、肥満は疾患である、という発想がでてくることは、なんの不思議でもなく、医学の世界ではよくあることでは、ないだろうか??

 

薬ができると、新しい疾患概念ができ、新しいガイドラインができる、
だから、肥満を治すのは、これまでのような美容外科ではなくて、
私たちのような糖尿病専門医に、変わっていく。

 

こういうような世の中の変遷は、ただ単に、同じような歴史が繰り返されているだけのようなきがしているだけ、に思えてのは、私だけなのだろうか?