急激に体重を落とすべきか?いなか?

体重を急激に落とすことは、徐々に体重を減らした場合に比べて、の比較試験が、ヨーク大学(カナダ)のJennifer Kuk氏らの研究で明らかになりました。

 

 これまでの研究で、急激な減量は胆石リスクのわずかな上昇と関連することが示されております。なので、一般的に減量率は週当たり0.5~1kg程度とすることが推奨されていっました。私の、GLP1ダイエットでも、この点は、同意書に記載させていただいております。

 

しかし、徐々に体重を減らすよりも急激に減量した方が、心疾患や糖尿病のリスク因子の低減に有用である可能性も示唆されていたのですが、それが、ライザップなどが普及した社会的背景だったのかもしれません。

 

 そこで、Kuk氏らは公的資金による体重管理プログラム(治療期間は12.7カ月)に参加した成人男女1万1,281人を対象に、治療開始早期と期間全体別に、(1)急激に減量した群(週当たり1kg以上)、(2)減量率が推奨範囲内の群(同0.5~0.9kg)、(3)徐々に減量した群(同0.5kg未満)に分けて分析し、その結果を発表しました。

 

結論としては、急激に減量した群では、減量率が推奨範囲内だった群や徐々に減量した群に比べて全体的に減量幅が大きかった(-24.7kg対-13.3kgおよび-5.0kg)。また、急激に減量した群では、他の2つの群に比べてウエスト周囲長や血圧が大きく改善し、心疾患や糖尿病のリスク因子の低減に有用であることが示唆されたというもので、
やはり、ゆっくり減量より、急激に減量したほうが、健康的、という内容になります。断食道場や、ライザップの理論は、ある意味、間違ってはいなかったわけです。

 

ただし、「急激なダイエットに成功する人は、それだけ、モチベーションが高い、はず」という、baselineにおける、メンタルの違いは、データには見えない部分に、あったかもしれません。モチベーションが高い人は健康意識も高いので、より健康的になりやすく、たとえば、人間ドックもうけていたり、生活習慣病の外来通院も、きちんとしている人だったかもしれません。そういう比較は、なされて無いようです。であるならば、急激に減量が成功できた人のほうが、心臓疾患や糖尿病の発症リスクが低くなるのは、当然といえば、当然なはずです。それに、−20kgも、減量すれば、20kgの重りが体からなくなるのですから、それだけ、心臓に負担がかからないというのは、誰が考えても、当然の話のようなきがします。

 

 ただし、減らした体重の絶対量で調整すると、治療開始後早期でも期間全体でも、急激に体重を減らした群と減量率が推奨範囲内だった群との間で代謝マーカーの値に差はみられないことも明らかになりました。絶対量で調整すると、差がない、、ということは、とても重要です。だから論文となったのでしょう。ですが、代謝の専門である、私たちからみると、それは、様々なGLP1受容体作動薬の治験で、証明されているので、当たり前のような気がします。

 

 Kuk氏は「急激な減量による胆石リスクの上昇を考慮すると、減量する場合には、1週間に0.5~1kg程度の減量を目指すのが安全な選択肢ではないか」との見解をしめしており、これは、私の、GLP1ダイエット外来の運用においても、とても役立つ示唆になります。他の、日本の、GLP1メディカルダイエットでは、いっさい、胆石について記載しているホームページは、みたことがありませんが、私たちは、しっかり、そこはおさえて、同意書をいただいております。ブログにも、一度、記載しました。

 

よって、GLP1ダイエットでも、治療開始時には、2週間体験コースを試されるかたが多いのですが、できれば、1ヶ月、3ヶ月と継続していただいて、そこで、急激に、体重を5%以上、落とすようにと、指導方針をかえていきたいと考えます。