GLP1タキフィラキシーがなくても体重が減るビデュリオン

GLP1注射製剤の中で、日本で、これまでトップレベルで処方したきた薬剤が、Exenatide QW, つまり、バイエッタの成分、エキセナチドを、1週間、かけて投薬するビデュリオンです。

 

この薬剤のメリットは、高濃度のGLP1を、長期間、維持できる点にあります。従って、これまでは、私の外来では、最も長く、安全に、沢山、処方されてきたGLP1製剤といってもよいかもしれません。

 

ほとんどの糖尿病患者さんで、著名な体重減少を認めます。理論的には、GLP1濃度を変えることが自由自在で、かつ、バイエッタとしての歴史もある、という点では安全性も担保できていて、非常に、優れたGLP1製剤であることは、間違いありません。

 

ですが、効能、効果が、それだけ優れたGLP1製剤であるのに、
なぜ製造元のアストラゼネカ社は、この薬剤を、「抗肥満薬」にしようとか、
横展開をしないのでしょう?

 

おそらく、それは、とても簡単な理由によるものです。

 

注射する針が太くて痛いのです。かつ、注射の跡が残り、しこり、も残ります。ですから、コスメを考えるのであれば、けっして、「ダイエット」向きとは言えない側面をもっています。

 

最近は、ビデュリオンの、こうした問題を解決する薬剤、トルリシティや、オゼンピックなどが発売されてしまっている、という現実も、発売元のアストラゼネカ社にとっては、前向きにとりくめない大きな理由になっているのでしょう。競合が強すぎるという判断だと思います。

 

ただし、オゼンピックの発売が延期になった日本で、また、
2018年12月の段階でいえば、1週間製剤で、痩せる薬を処方しましょう、と言えるのは、ビデュリオンだけかもしれません。

 

そして、そういう実状を考えると、東京都内の美容外科クリニックで、やせないGLP1受容体作動薬が、1週間製剤として、紹介されている現実をネットで見つめ、うううーん、この医師(あるいは医師軍団)は、もともとの、GLP1の処方術をしらないし、知ろうともしていないクリニックであることが、一目で解ってしまいます。

 

空想するのは、もし、アストラゼネカ社が、テルモやニプロなど、日本の注射針メーカーの針を使用してくれさえすれば、もっと展開が違ったかもしれません。が、あいかわらず、この医療業界も「保護主義」が、まかりとおっているようです。以前、外国製の、痛い針での注射を、患者さんたちに、お願いしているのは、申し訳ないきがしてきます。

 

オゼンピックが承認されなかった影響というのは、こういう臨床現場に、こういう具合に、起こっている、ということを、レポートしておきたいと思いました。

 

PS・

 

ビデュリオンの処方量については、私のクリニックが、東日本で、トップだそうです。西日本に、私と同じくらいの処方をしている医師が、お一人、いる、という話をきいて、私も、その先生も、驚いているかもしれません。大阪周辺の大きな病院に常勤で勤務されておられる先生と聞いています。京都ではありません。ともかく、今は、アストラゼネカ社によると、ビデュリオンの処方は、その先生と私の、ふたりっきり、、だそうで、その意味では、都会にいても孤立しているかもしれません。が、しかし、その分、HbA1cは、極めて良好な患者さんばかりです。

 

GLP1製剤の本質的役割を世界レベルで理解しているだけです。国際学会にでていると、私と同じ発想をする糖尿病専門医は、沢山、います。それに比べ、日本は遅れているのか、製薬メーカーが、あえて、力をいれていないというか、複雑な様相を呈しています。

 

なお、すでに投薬をうけられている200人前後の患者さんたちが、もし、この内容を読まれたら、それで、誤解のないよう、お願いいたします。体重が落ちて、ベストなGLP1の1週間製剤を処方している、という事実は、決して、間違っておりませんので。