お酒を止めれば、 GLP1ダイエット効果は増強する

 

 

人間ドックをしていた時、ある受診者の方が、前の年より、約ー12kg減量して、受診されました。どうしたの?と訪ねてみると、会社を退職したので、それまで日々、接待や外食で暴飲暴食をしていた日々から開放されて、特に、お酒を止めることができたので、ダイエットに成功した、とのことでした。とてもシンプルな理由でした。

 

そして、その方の人間ドックの結果は、驚くべき結果でした。

 

高血圧、糖尿病の疑い、脂肪肝、睡眠時無呼吸症候群の疑い、高脂血症、などなど
肥満に関係した疾患リスクは、すべて消えていました。
ー12kgの減量に成功した事で、生活習慣病から完全に開放され、健康な身体に戻っていたわけです。

 

こういう経験をすると、肥満は疾患の温床であり、肥満自体が既に「病気」と呼べる状態ではないだろうか、と強く実感するわけであります。

 

さて、

 

GLP1ダイエットを始める時、「暴飲暴食はしないでください。」と
私はお願いするわけですが、ビクトーザを注射すると、暴食はできなくなるので、そちらは、さほど心配していません。

 

ですが、暴飲、つまり、お酒を飲むと、せっかくのビクトーザの効果が途中で、消えてしまうことは、よくあることです。

 

私自身、ビクトーザを0.9mg注射して、その日、夜、接待があると、夕方に、0.6mgを追加し、1日量で、1.5mgを注射して、接待に招かれたことがあります。

 

接待の場では、ワインを勧められ、グラス2杯を飲んだ瞬間、
頭の中で、「食欲中枢の抑制、つまり、ブレーキ」が、突然、スイッチオフになる感覚が解ることが多いです。

 

特にワインが美味しいと、その傾向は強く、グラスの数が増えていくにつれ、せっかく、ビクトーザを、あんなに注射してきたのに、食欲中枢抑制がとれ、食欲が亢進してしまって、今夜はダイエットができないな、、なんて、その場で諦めてしまいます。

 

調子にのって、そのとき、料理を食べると、後になって、お腹が苦しくなることは解っていますから、食べる量は、さすがに、1.5mgを注射した後では、少なくはなってます。ですが、ワインとあうカロリーの高い食材は食べてしまうことが多いです。

 

 

そして、二日酔いになるまで飲んだ日の翌日の体重計にのると、おもわず、目を覆いたくなってしまいます。「嘘!。せっかくの、ビクトーザ注射が無駄になった!」、そう思うわけです。

 

話はかわり、最近の近況の話題になります。

 

花粉症がひどくなってきたので、先日から、お酒を飲むのを、辞めました。
数日、体重計にのるのを忘れていたのですが、昨夜、体重計にのったら、
なんと−2kg、痩せていました。

 

お酒を多少、飲んでいる間は、あんなに、−1kgの減量が遠いハードルだったのに、
お酒を止めてみたら、こんな簡単に、数日で、−2kg痩せるのか、と自分でも、びっくりでした。

 

こうした経験から、当然ですが、ビクトーザのような食欲を低下させる治療をしながら、一方で、食欲を亢進させるアルコールは飲むべきではありません。
アルコールさへ飲まなければ、ビクトーザの効果は、さらに増強するだろう、と実感しますし、それは、理論的には当然のことです。

 

 

そう考えると、「GLP1ダイエットが成功するのは、女性のほうが男性より成功しやすい」、という理由も説明がつきます。女性のほうが、アルコールに弱いので、お酒を飲みません。だから、女性のほうが、成功しやすい、、そういう単純な理由なのかもしれません。おそらく、男性でも、アルコールに弱い人のほうが、アルコールに強い人より、GLP1ダイエットに成功しやすい、という結果がでるかもしれません。今後は、そういう目で、外来の臨床を行っていきたいと考えます。

写真ができました。!。

写真ができてきました。嬉しい画像です。

 

やっぱり、サイエンスは記録が残るいいですね。。

 

まずは、左が以前から悩まされていた脂肪肝。腎臓とは明らかにコントラストが強く、白く脂肪がたまっているのが解ります。右は、腎臓のコントラストと、ほぼ同じようになった肝臓の画像です。つまり、これは「肝臓に脂肪がたまっていない」という事を意味します。それは、、==>脂肪肝が消えた!という事になります。

 

無駄な脂肪は皮下組織だけでなく、肝細胞からも消えてました。


 

 

 

 

次が、逆流性食道炎の改善です。肥満していた時には、胃から食道にバリウムが戻ってしまってました(左の図:バリウムが胃から食道へと逆流し白く映ってます)。お腹の脂肪が多すぎて、腹部を圧迫していたというわけです。

 

それが、−16KGの減量をして、かつ、ビクトーザを普段から注射しているにも拘わらず、逆流性食道炎は治っていました(右の図:逆流は認められなくなりました)。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

本来であれば、普段から、ビクトーザを注射しているので、右のほうが、胃の排泄運動が抑えられているはずなのに、実際には、胃の運動は正常となり、腹部の脂肪が圧迫しないために、胃への圧迫圧力が減り、逆流性食道炎は改善していました。

 

脂肪肝が消える、ことは、将来、肝臓癌のリスクの減少に繋がります。
逆流性食道炎が消える、ことは、将来、食道癌のリスクの減少に繋がります。

 

ということを考えると、GLP1ダイエット治療は、「癌予防」にも役立つという、結論になるわけです。

 

GLP1ダイエットが広く普及すれば、将来、こういう仮説が実証されるかもしれません。