痩せるGLP1と、痩せないGLP1があります!

GLP1製剤は、通常、中枢性の食欲抑制作用を有していると考えられます。脳の視床下部に、受容体があります。

 

ですから、皮下注射された液体であるGLP1製剤は、血流を通して、脳の血管にも到達し、そこにあるBBB(Blood Brain Barrier, 脳血流関門)という関門をパスすれば、脳細胞に直接、到達します。

 

やせるGLP1、、、と言われるのは、「食欲ホルモン」として、脳の食欲中枢に到達しやすいGLP1製剤になります。

 

やせないGLP1...と言われるのは、「食欲ホルモン」として、脳の食欲中枢に到達しにくいGLP1製剤になります。

 

その差は何か? という事に対して、最近になり、比較的、一般人でも理解しやすい解釈がでてきました。その差は分子量の差と考える思考法です。

 

分子量が小さいと、BBBという関門を通過しやすいので、食欲中枢に到達しやすく、食欲抑制作用が強くでやすいので、やせるGLP1、となります。

 

逆に、分子量が大きいと、BBBという関門を通過しにくいので、食欲中枢に到達しにくく、食欲抑制作用が弱い可能性があり、やせないGLP1,となるはずなのです。

 

以前から、トルリシティ(一般名、dulaglutide)は、やせないGLP1製剤ですから、注意してください、と申し上げてきました。

 

その背景には、実は薬理学的に、他にも様々な理由はあるのですが、ただ、複数ある理由の中でも、一般人が最も分かりやすい理由としては、トルリシティの分子量は大きい、のです。

 

それに比べて、リラグリチド(つまり、ビクトーザやサクセンダ)は、分子量が小さい、のです。

 

分子量が小さいほうが、BBBという関門をパスしやすい、だから、食欲抑制作用が強くなる、、と考えれば、シンプルです。

 

この分子量の差が、リラグリチド、すなわち、ビクトーザやサクセンダは、抗肥満治療薬、として認識されるが、トルリシティは、そういう認識はされてはいない、という差として理解できるのではないでしょうか?

 

なお、やせないGLP1は、それはそれで重要なのです。一般に病気があると、やつれることが多いわけですから、やつれやすいような状況にある時には、むしろ、やせないGLP1製剤のほうが望ましい、という現場は、医療の世界では、いたるところにあります。特に循環器分野などの心不全をもつ患者さんでは、痩せる事自体を医師は恐れることがあり、あえて、やせないGLP1を処方する傾向にあるようです。