糖尿病発症予防研究会 資金調達および財務管理規程

​

第1章 総則

​

第1条 目的

本規程は、糖尿病発症予防研究会（以下「本研究会」という）の資金調達方法、財務管理体制、予算配分、支出管理等について定め、本研究会の財政基盤の安定化と透明性の高い財務運営を実現することを目的とする。

​

第2条 基本方針

1. 本研究会は、活動目的に沿った多様な資金源を確保し、特定の資金提供者への過度な依存を避ける。

2. 資金調達および財務運営においては、透明性、公正性、効率性を重視する。

3. 利益相反に配慮し、研究の独立性と科学的信頼性を確保する。

4. 中長期的な視点に立った財政計画を策定し、持続可能な組織運営を目指す。
    

第2章 資金調達
 

第3条 資金調達方法

本研究会は、以下の方法により資金を調達する。
 

1. 会費収入

1. 正会員（個人）会費

   • 医師・研究者会員: 年額20,000円

   • 医療従事者会員（医師以外）: 年額10,000円

   • 学生会員: 年額5,000円

2. 賛助会員（企業・団体）会費

   • プラチナ会員: 年額1,000,000円

   • ゴールド会員: 年額500,000円

   • シルバー会員: 年額300,000円

   • ブロンズ会員: 年額100,000円

3. 特別会員（自治体・行政機関・非営利団体）会費

   • 年額50,000円
      

2. 研究助成金・補助金

1. 公的研究助成金

   • 科学研究費助成事業（科研費）

   • 日本医療研究開発機構（AMED）研究費

   • 厚生労働科学研究費

   • 経済産業省関連研究開発事業費

2. 民間財団研究助成金

   • 糖尿病関連財団助成金

   • ヘルスケア・医療関連財団助成金

   • 予防医学研究支援財団助成金

3. 地方自治体研究助成・補助金

   • 都道府県・市区町村の医療・健康増進関連助成金
      

3. 産学連携収入

1. 共同研究費

   • 製薬企業との共同研究契約に基づく研究費

   • 美容・健康関連企業との共同研究契約に基づく研究費

   • 医療機器・デジタルヘルス企業との共同研究契約に基づく研究費

2. 受託研究費

   • 企業からの委託研究費

   • 医療機関・自治体からの委託研究費

3. 技術移転収入

   • 特許実施許諾料

   • ノウハウライセンス料

   • 商標使用料
      

4. 事業収入

1. 学術集会・セミナー関連収入

   • 参加登録料

   • 展示・広告収入

   • プログラム集販売収入

2. 出版・コンテンツ関連収入

   • 学会誌・研究報告書販売収入

   • 書籍・教材販売収入

   • オンライン教育コンテンツ利用料

3. 認定・研修関連収入

   • 認定医・認定施設申請料

   • 研修会・講習会参加費

   • e-ラーニング利用料
      

5. 寄付金

1. 個人寄付

   • 一般寄付

   • 遺贈寄付

   • クラウドファンディング

2. 法人寄付

   • 一般企業からの寄付

   • 製薬企業からの寄付

   • 医療機関・関連団体からの寄付

3. マッチングギフト

   • 企業が従業員の寄付に応じて同額を寄付する制度
      

6. 投資・資産運用収入

1. 基金運用収入

   • 債券・定期預金等の安全資産による利息収入

   • 投資信託等による配当・運用益

2. 不動産収入（将来的検討事項）

   • 研究会所有施設の賃貸収入
      

7. その他の収入

1. 各種助成金・補助金

   • スタートアップ支援助成金

   • 国際交流助成金

   • デジタル化推進補助金

2. クレジットカード提携収入

   • 研究会オリジナルクレジットカードの利用に応じた還元金

3. ロイヤリティ収入

   • 監修・推薦商品からのロイヤリティ
      

第4条 セマグルチドあるいはチルゼパチド製剤関連製薬企業からの初期資金調達
 

1. 設立時の初期資金として、GLP-1製剤を有する製薬企業から特別協賛金を募る。

2. 特別協賛金は以下のカテゴリーを設ける。

   • 創立パートナー: 20,000,000円（最大2社）

   • 創立スポンサー: 5,000,000円（最大5社）

   • 創立サポーター: 3,000,000円（最大10社）

3. 特別協賛企業には、以下の特典を付与する。

   • 研究会ウェブサイトへの企業ロゴ掲載

   • 創立記念シンポジウムでの講演機会

   • 創立メンバーとしての永続的表彰

   • 初年度のプラチナ賛助会員資格の自動付与

4. 特別協賛金の受け入れに際しては、倫理・利益相反委員会の審査を経て、研究の独立性に影響を与えないよう適切な管理を行う。
    

第5条 社会的インパクト投資の活用

1. 本研究会の活動による社会的価値創出と経済的リターンの両立を目指す「社会的インパクト投資」の活用を推進する。

2. 具体的な手法として、以下を検討・実施する。

   • ソーシャル・インパクト・ボンド（SIB）: 糖尿病予防による医療費削減効果に基づく成果連動型の資金調達

   • ヘルスケア特化型インパクト投資ファンドからの投資誘致

   • ESG投資枠での資金調達
      

第6条 公的機関との連携による資金調達
 

1. 国・地方自治体の健康増進・疾病予防事業との連携により、公的資金の活用を図る。

2. 具体的には以下の方法を検討・実施する。

   • 自治体の糖尿病予防モデル事業への参画

   • 厚生労働省の健康増進事業への協力

   • 経済産業省のヘルスケア産業創出事業への参画
      

第7条 国際機関・海外財団との連携

1. 国際機関・海外財団との連携により、国際的な資金源の確保を図る。

2. 具体的には以下の機関への申請・連携を検討・実施する。

   • 世界保健機関（WHO）の非感染性疾患対策関連プログラム

   • 国際糖尿病連合（IDF）の研究助成プログラム

   • ビル＆メリンダ・ゲイツ財団等の国際的な保健医療財団
      

第3章 財務管理体制
 

第8条 財務委員会の設置

1. 本研究会の財務に関する事項を審議・決定するため、財務委員会を設置する。

2. 財務委員会は、以下のメンバーで構成する。

   • 財務担当理事（委員長）

   • 理事長または副理事長1名

   • 理事2名

   • 外部有識者（会計専門家）1名

   • 事務局長

3. 財務委員会は、定期的に開催し、以下の事項を審議・決定する。

   • 年間予算案・決算案の作成

   • 資金調達計画の策定・実施

   • 資産運用方針の決定

   • 財務リスク管理

   • その他財務に関する重要事項
      

第9条 会計監査体制

1. 本研究会の会計の透明性と適正性を確保するため、以下の監査体制を整える。

   • 監事による内部監査（年2回）

   • 外部公認会計士による会計監査（年1回）

   • 財務委員会による四半期レビュー

2. 監査結果は、理事会および総会に報告するとともに、ウェブサイト等で公開する。
    

第10条 財務情報の開示

1. 本研究会は、財務の透明性確保のため、以下の情報を積極的に開示する。

   • 年次予算・決算報告

   • 資金調達状況（種類別・提供者別）

   • 主要支出項目の内訳

   • 資産保有・運用状況

2. 開示方法は、研究会ウェブサイト、年次報告書、総会資料等を通じて行う。
    

第4章 予算配分と支出管理
 

第11条 予算編成プロセス

1. 予算編成は、以下のプロセスで行う。

   • 9月: 各委員会・事務局からの予算要求提出

   • 10月: 財務委員会による予算案調整・作成

   • 11月: 理事会による予算案審議・承認

   • 12月: 臨時総会での予算案承認

2. 予算年度は、1月1日から12月31日までとする。
    

第12条 予算区分
 

本研究会の予算は、以下の区分で管理する。
 

1. 経常予算
 

1. 管理費

   • 人件費（事務局スタッフ給与・社会保険料等）

   • 事務所維持費（賃料・光熱水費・通信費等）

   • 会議費（理事会・委員会会議費等）

   • 旅費交通費

   • 消耗品費

   • 諸会費・会費

   • 租税公課

   • その他管理費
      

2. 事業費

   • 学術研究事業費

     • 研究プロジェクト費

     • 研究助成費

     • 研究データベース構築・維持費

   • 学術集会・セミナー開催費

     • 会場費

     • 招聘費

     • 印刷製本費

     • 運営委託費

   • 教育研修事業費

     • 教材開発費

     • 講師謝金

     • e-ラーニングシステム費

   • 広報活動費

     • ウェブサイト管理費

     • 広報資料制作費

     • メディア対応費

   • 国際交流事業費

     • 国際会議参加費

     • 国際共同研究費

     • 翻訳・通訳費

   • 政策提言事業費

     • 調査研究費

     • 政策提言書作成費

     • 意見交換会開催費
        

2. 特別予算

1. 設立準備金

   • 創立記念シンポジウム開催費

   • 初期システム構築費

   • 広報ツール初期開発費

2. 戦略的研究プロジェクト費

   • 大規模臨床研究費

   • 国際共同研究費

   • 革新的研究開発費

3. 設備投資費

   • 事務所移転・改装費

   • 大型機器・システム導入費

4. 基金積立金

   • 運営安定化基金

   • 若手研究者育成基金

   • 国際交流促進基金
      

第13条 予算配分方針
 

本研究会の予算配分は、以下の方針に基づいて行う。

1. 基本配分比率

   • 研究事業費: 全予算の40%以上

   • 教育・広報事業費: 全予算の20%以上

   • 管理費: 全予算の25%以下

   • 基金積立・予備費: 全予算の15%程度

2. 特定財源の配分

   • 研究助成金・補助金: 申請目的に沿った事業に100%配分

   • 寄付金: 寄付者の意向に沿った事業に優先配分

   • 賛助会費: 60%を研究事業、20%を教育事業、20%を管理費に配分

3. 収益事業収入の配分

   • 収益の50%を関連事業の発展・拡充に再投資

   • 収益の30%を研究事業に配分

   • 収益の20%を基金積立に配分
      

第14条 支出承認プロセス

本研究会の支出は、以下のプロセスに従って承認・実行する。

1. 支出承認権限

   • 10万円未満: 事務局長決裁

   • 10万円以上50万円未満: 財務担当理事決裁

   • 50万円以上100万円未満: 理事長決裁

   • 100万円以上: 理事会決裁

2. 緊急支出

   • 緊急を要する場合は、理事長と財務担当理事の合議により、50万円を限度として支出を承認できる。

   • 緊急支出を行った場合は、次回理事会で報告し、事後承認を得る。

3. 研究費支出

   • 研究プロジェクト費は、研究計画に基づき学術委員会で審査の上、配分・支出する。

   • 個別研究者への研究費配分は、研究計画書と予算計画書の提出を義務付け、学術委員会の審査を経て決定する。
      

第15条 経費精算手続き

1. 経費精算は、以下の手続きに従って行う。

   • 経費精算申請書の提出

   • 領収書・証憑書類の添付

   • 担当理事または委員長の承認

   • 事務局による確認

   • 財務担当理事の最終承認

2. 経費精算の期限

   • 原則として支出発生から1ヶ月以内に精算申請を行う。

   • 年度末（12月）の経費は、翌年1月15日までに精算申請を行う。

3. 立替払いの制限

   • 原則として10万円を超える支出は立替払いを認めない。

   • やむを得ず高額の立替払いを行う場合は、事前に財務担当理事の承認を得る。
      

第5章 資産管理
 

第16条 基金の設置と管理

1. 本研究会の中長期的な財政基盤強化と特定目的の資金確保のため、以下の基金を設置する。

   • 運営安定化基金: 経常収支の変動に対応し、安定的な組織運営を確保するための基金

   • 若手研究者育成基金: 次世代の研究者育成を目的とした研究助成、留学支援等のための基金

   • 国際交流促進基金: 国際会議開催、海外研究者招聘等の国際交流活動のための基金

   • 施設整備基金: 将来的な事務所・研究施設の取得・整備のための基金

2. 基金への積立

   • 経常収支の黒字分の30%以上を運営安定化基金に積み立てる。

   • 特定目的の寄付金は、該当する基金に100%積み立てる。

   • 各基金の積立目標額と期間を設定し、計画的に積立を行う。

3. 基金の運用

   • 基金の運用は、元本の安全性を最優先し、以下の範囲内で行う。

     • 政府保証債、地方債等の安全性の高い債券

     • 大手金融機関の定期預金

     • 分散投資型の低リスク投資信託（基金総額の30%を上限）

   • 運用方針は、財務委員会で策定し、理事会の承認を得る。

   • 運用状況は、四半期ごとに財務委員会でレビューし、年1回理事会に報告する。
      

第17条 固定資産の管理

1. 固定資産の取得

   • 100万円以上の固定資産の取得は、理事会の承認を得る。

   • 取得した固定資産は、固定資産台帳に記録し、適切に管理する。

2. 減価償却

   • 有形固定資産は、定額法による減価償却を行う。

   • 減価償却期間は、法定耐用年数に従う。

3. 固定資産の処分

   • 固定資産の処分は、理事会の承認を得る。

   • 処分の際は、適正な評価額での売却または適切な廃棄処理を行う。
      

第6章 利益相反管理
 

第18条 資金提供に関する利益相反管理

1. 資金提供の透明性確保

   • すべての資金提供について、提供者、金額、使途を公開する。

   • 特に製薬企業からの資金提供については、個別に詳細を開示する。

2. 研究の独立性確保

   • 特定の企業からの資金提供が全収入の20%を超えないよう管理する。

   • 研究テーマの設定、研究方法の決定、結果の解釈・公表において、資金提供者の不当な影響を排除する。

3. 利益相反審査

   • 資金提供の受け入れに際しては、倫理・利益相反委員会による事前審査を行う。

   • 利益相反の可能性がある場合は、管理計画を策定し、適切に対応する。
      

第7章 雑則
 

第19条 規程の変更

本規程の変更は、財務委員会の発議により、理事会の議決を経て行う。

第20条 細則の制定

本規程の施行に必要な細則は、財務委員会の議を経て、理事長が定める。

第21条 施行日
 

本規程は、2025年●月●日より施行する。